エピソードをうまく語れない人
ある企業グループで、グループ会社に役員として出る人たち向けの研修を、ここ
10年来やらせてもらっています。
そうした中で、配属された会社での説得力や発信力を付けてもらうために、「語り方」
の指導も行っていて、その中の一つに、自身の体験談のエピソード語りというの
があります。
受講者の人達には、予め自分で原稿を用意してもらって、それを話してもらうの
ですが、それが、ぜんぜんエピソードになっていない人がいます。
準備のために具体的なエピソード事例も付けてあるので、それを参考に書いて来て、
読み上げてもらえばいいのですが、それでもダメなんです。
どういうことなのでしょうか?
どうも、3つ位タイプがあるようです。
まず、タイプとしては、以下のタイプの人がいます。
1.略歴語りタイプになってしまう
・ふだん自己紹介で慣れているのが、何年入社でどこに配属になってという略歴を話していく
タイプで、社内の人向けには、入社年次やどんなキャリアを積んできたか分かっていいのですが、
会社が替わると、まったく意味をなしません。
・略歴語りで伝わるのは、せいぜい営業や技術、管理などの職種経験くらいです。
・そもそもわざわざエピソードを語ってもらう趣旨は、そのエピソードを通じて
その人の人柄やいいところが分かるということなので、
ただ略歴を話しても、そういうことは伝わらないということなのです。
2.「あらすじ」で終わってしまう
・エピソード語りというのは、リンク先の事例に示すように、具体的にその場の様子や本人の気持ち
等を語る必要があるのですが、あらましのあらすじしか話さないので、リアル感がないのです。
・どんな素晴らしい体験も、あらすじで終わってしまっては、リアリティがなく、共感できません。
3.概念的な要約になってしまう
・頭のいい人は、通常概念化が得意なので、ふだん仕事でも抽象的、概念的な言葉を使いがちです。
・ですので、こうした際には、「要するにお客様の信頼を勝ち得たということです」というように
実際には、どのような行動・言動を行ってお客様のどのような信頼を勝ち得たかを知りたいのに、
丸めて話してしまって、お話の「あんこ」が語られないのです。
・こういう人は、こまごまとした話よりも、それを概念的にまとめた「話し方」の方が上等である
と思い込んでいるために、具体的な話をしようとしない傾向があります。
4.その他
・あまり例は多くないですが、話の中に嘘や作り話があるために、具体的に話せないというケースも
稀にあります。
ただ、こうした方々も、他の同僚による良いエピソード語りを聴いてもらうと、「ああ、そういう風に
話すのか」と合点が行って、ちゃんとしたエピソード語りが出来るようになります。
ですので、いいエピソード語りとはどのようなものか、自分の体験談をどのように語ったら、
いいエピソード語りになるのか学んでもらいたいものですね。


